洛菜庵

古都の郊外、四季折々の散歩道です

日本画・玉堂の里

 ちょっと足をのばして…、奥多摩へ。
 
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 御嶽駅で降ります。
 
 その鶴と松の描き方に見覚えがありました。オーバーハングの岩山も、なにか懐かしい思いがこみ上げてきます。実家の奥座敷にあった襖絵もこんな作風でした。画家の名を知ったのは、ほんの数年前です。
 
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 多摩川渓谷。そして、川合玉堂美術館です。
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  「春風春水」と「松上双鶴」
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 実家の襖絵は管理が悪く、紫外線で焼け、ところどころ破れ、落書きもありました。でも、幼心に生き生きした筆遣いだと感じていました。もう廃棄したけれど、記憶している作風と落款から京都にいた若いころの「玉堂」であると、わたしは確信しています。なので、京都から奥多摩の渓谷まで、玉堂の作品を見るために来たのです。
 展示作品の解説に、玉堂の言葉が引用されていました。
 「梅の花は、控えめな咲き方がちょうどいい」
 紅梅白梅の大胆な構図に、古木の幹を現わす緑青の流し込みぼかし。二双の金屏風に、奥ゆかしい梅の気品が漂っていました。
 
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美術館の庭。枯山水の借景は奥多摩の渓谷です。
 
 
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 玉堂のアトリエが再現してありました。
キャンバスには鶴の絵。
 
 
 
午前中は山肌に雲がかかっていましたが、午後は晴れ。
 
帰路は多摩川渓谷の左岸を、ふた駅先まで散策しました。
車窓から富士の頂がくっきり見えていました。
 
でも、やっぱり、京都からは遠かった。