洛菜庵

古都の郊外、四季折々の散歩道です

#ノンフィクション、エッセイ

手紙から聞こえる声

人と人との距離がいい ある高校生が夜更けに恋文を書いた。途中で青いインクが切れた。心はやる。明日に持ち越したくない。赤ペンでつづきを綴った。また切れた。抽斗(ひきだし)の底にあった緑インクの万年筆で書き上げた。ポストへ行った。少しためらった。…

菜の花

司馬遼太郎の没年は1996年ですから、21世紀の様子は知らないで亡くなりました。 生前、小学6年生の国語の教科書のために書いた「21世紀に生きる君たちへ」は、原稿用紙10枚ほどの名文です。分かりやすい文章で司馬の想いが語られています。 「私は、歴史小…