洛菜庵

古都の郊外、四季折々の散歩道です

手紙から聞こえる声

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 人と人との距離がいい

 ある高校生が夜更けに恋文を書いた。途中で青いインクが切れた。心はやる。明日に持ち越したくない。赤ペンでつづきを綴った。また切れた。抽斗(ひきだし)の底にあった緑インクの万年筆で書き上げた。ポストへ行った。少しためらった。我慢なしに投函した。ぽとん、と音がした。瞬間、甘美な安堵に不安が折り重った。金木犀の香りが夜闇にたわむれる季節になると、星移って六十歳になったいまも、あの刹那の音を煙のように思い出す、という。
(四国新聞コラムより抜粋)
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写真=金木犀のかほり… (2008年10月10日、京都で)


追加/後の部分を省略しちゃいました。興味あるひとは、適当に長めフレーズで検索(yahoo)すると他サイトで全文が読めます。