洛菜庵

古都の郊外、四季折々の散歩道です

下地窓

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ある人のブログに、「大山崎町歴史資料館に待庵の原寸大の模型が展示してあり、茶室の中にも入れる」と書いてあったので、散歩コースの道すがら立ち寄りました。ところが、「当館では模型といえども、茶室の中に入ることは決して許可していませんっ!」と、管理人さんに断られてしまいました。

茶室のような微妙なバランスは、写真や図面でなかなか作者のこころが伝わらないものです。
にじり口から上らせていただいて、願わくば利休さんにお茶を一服ふるまっていただけたら、と…。
茶の心得もない者のとんでもない願いかもしれないけれど、原寸大の模型がもったいないなぁ。

ところで、この茶室は二畳の広さしかありません。部屋の設えに広い空間を感じます。室内圧迫感を無くして、採光を上手く考えたのでしょう。窓の大きさや配置が凝らされています。その窓は「下地窓」と呼ぶらしい。壁の下地を土を塗らずに開けてあるものです。材料には目の前の河川敷で簡単に手に入る、淀川のヨシを使ってあるそうです。


どこかで見覚えがある…。わが家の離れ屋の厠が、たしかこんな窓でした。築300年ほどの書院造り。いまふうの建物に立て替えたとき、残骸の中に、きめ細かな壁土とヨシの下地窓がありました。割り竹の下地と組み合わせて。リサイクルした古文書の和紙が、聚楽壁の下地と壁土のつなぎに使われていました。そのときは意識して見てなくて、もう、どこかの埋め立て地の土に帰っていることでしょう。