洛菜庵

古都の郊外、四季折々の散歩道です

古今伝授の間

 水前寺成趣園(通称・水前寺公園熊本市)にある萱葺の建物です。「古今伝授の間」といいます。細川藤孝(幽斎)が八条宮智仁親王古今集のポイントをレクチャーしたといわれている質素な建物です。
イメージ 1
 水前寺公園は観光客も減っていて、座敷に上って庭園を眺めながらゆっくりお茶をいただくことができます。600円です。
 
イメージ 2
 古今伝授の間は、400年前には京都御苑の中にあって八条宮の本邸でした。その後、長岡天満宮(長岡京市)に移され、明治4年に解体して細川家に贈られました。大正になって細川家が、ここ酔月亭の跡地に移築されたものです。
  
イメージ 3
 細川藤孝は、長岡京市にあった勝竜寺城主にもなっています。その子は忠興。勝竜寺城明智光秀の子の玉子(後のガラシャ)と結婚します。三世の細川忠利は肥後の国へ移り、水前寺御茶屋(後の水前寺公園)を造りました。
 ちなみに、八条宮(桂宮)智仁親王の二世代目に建てられた別荘が桂離宮です。庭園とともに書院造に数寄屋風を採り入れた傑作です。
 文武両道精神の文化が生んだ近代建築につながる流れなのかもしれません。細川幽斎がその役割を担ったのではないでしょうか。