洛菜庵

古都の郊外、四季折々の散歩道です

閻魔さま

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見下ろす貌に、迫力があります。
都が焼かれた応仁の乱で、初代閻魔像は焼失しました。この像は1488年に仏師・定勢により刻まれたものです。

小野篁(802~853)は、この世とあの世を行き来する力を持っていたらしい。昼は宮中に、夜は閻魔之廰に仕えたといわれています。篁は法儀「精霊迎えの法」を授かって、その道場として自ら建てた祠がこのゑんま堂です。

ここは当時の目抜き通りであった朱雀大路(いまの千本通り)沿いです。「化野」「鳥辺野」とともに平安京・三大葬送地のひとつ「蓮台野」の入口にあたります。
霊気ただようところです。

旧盆の8月7日~16日、京都では精霊が閻魔さまのお許しを得て家庭に帰るときとされています。水塔婆を流し迎え鐘をついて、「おしょらいさん」を家の仏壇にお迎えするときです。最終日の8月16日には、精霊を送る「おしょらい送り」が行われます。京都・五山の送り火もそのひとつです。