和風・外壁断熱
古民家ばかり接していても単調なので、外壁断熱・真壁造りの現場を見学させていただきました。
在来工法のうち、軸組みの柱が見える真壁造りです。
建造途中に写した垂木間の通気層部分。
屋根の断面は下から、天井板10mm、胴縁・断熱材135mm、遮熱透湿シート、通気層・垂木45mm、構造用合板12mm、防水シート、ガルバリウム鋼板。
全部でおよそ250mmの厚さですが、軽くて丈夫な構造です。
通気層の上部は自然に温められた空気が抜ける構造になっています。
熱の再利用をしないので、この方式は猛暑対策です。
通気層の機能が気になります。温度計を持ち込んで測らせてもらいました。
10月24日14時、百葉箱気温19.9℃。
この時、棟の自然排気口からの温度は36.2℃。
木の香りとともに温かい空気を顔に感じました。
一方、側壁の通気層は18mmしかありません。斜めでなく鉛直方向に抜けるからこれでいいのかな。
古民家に使われている荒壁は最近では見なくなりましたが、調湿機能に優れています。竹下地~藁→ビス止め板~古紙繊維、土壁素材をパーツにした「荒壁パネル」が使われていました。
中塗りと上塗りは従来のように左官の手作業だそうです。
床張りの参考にしたくて作業を見学させていただきましたが、プロの技術は雲泥の差。誤差0.2mmの世界にしばし見惚れてしまいました。
紙を挟んで隙間を作って、暖房時の温度差による木の膨張を吸収させるそうです。