洛菜庵

古都の郊外、四季折々の散歩道です

西岩倉の金蔵寺

洛西・金蔵寺は静かで趣きがあり、極上の紅葉を味わえる古刹です。
木々は淡くなったみどり色から黄色、真紅の楓葉など。

 
イメージ 8
 
 
 
富んだ彩りとコントラストが大胆で、秋の里山の景を堪能できます。
 
イメージ 1
 
 

白洲正子の随筆「かくれ里」の中に「西岩倉の金蔵寺」という一文があります。
導入部を簡単に紹介すると…。
 
車で善峰寺へ紅葉を見に行くつもりだったけど、運転手が山へ上る道を間違えて金蔵寺へ着いてしまいました。
金蔵寺は前から白洲さんがひそかに気になっていた寺だったけど、行きにくい所なのであきらめていたらしい。
でも、…
「善峰よりもはるかに静かで、紅葉も美しい」
「道をまちがえることも時にはいい」
と、べた褒めです。
 随筆は本旨で、清濁併せ持つ日本の大乗仏教を仮説するのですが、
ここでは触れません。
 
イメージ 2
 
 
 
錦繍の西山を見下ろすと、やさしい里山にこころが落ち着きます。
 
イメージ 3
 
 
  

紅葉の微妙な彩りを楽しみながら、境内をゆっくり散歩します。

 
イメージ 4
 
 
イメージ 5
 
 
イメージ 6
 
 
 
近くに名刹は多く、善峯寺は西国巡礼三十三所の二十番札所です。
勝持寺(花の寺)は西行が庵を結んだといわれ、西行桜で知られています。
なのに、金蔵寺は地味で目立たない存在です。
 
JR東海の30秒CMに登場した洛西・善峯寺や西山浄土宗総本山・光明寺に比べて、ここは交通が不便であり、たとえJR東海のCMに採用されても訪れる車でたちまち交通渋滞を招いて、地元や観光人それぞれ迷惑なことに違いありません。
 
 
 
 
きょうは雨。
雨上がりにしっとり濡れた秋の葉は彩度が際立って、いっそう豪奢な錦織となることでしょう。
 
イメージ 7